親密さを怖れる理由・克服するためのアプローチ(安定型・とらわれ型・拒絶回避・恐怖回避)
以下の4つを読み「恋愛関係」での自分の態度に1番当てはまると思う項目はどれでしょう?
複数の項目に同じ位当てはまる気がしたり、その時によって変わったりするかもしれません。
それでも、4つの中で最初に選んだものをよく読めば、無意識が呼び起こされるに違いありません。
※考えるのは、今現在や過去の特定の関係ではなく、全般的にどうかです
①相手との心の距離を縮めるのは簡単だ。
他人を頼っても、他人に頼られても、心地良い。
1人になっても、拒否されてもさほど気にしない。
②できれば他人と心を寄せ合いたいけれど、私が望むほど相手は私に近づきたいと思っていない気がする。
親密な関係を持たないのは嫌だけど、私が愛するほどには相手は私を愛していないと心配になる。
③あまり親密な関係なんてないほうがいい。
自立して自給自足でいることの方が大切だ。
頼るのも頼られるのもいい気はしない。
④他人と心の距離を縮めるなんてとても無理。
できればそうしたいが、相手を信じたり頼ったりするのは難しい気がする。
離れていったり、裏切ったり、ひどいことをされたりして、傷つけられるのではないかと心配。
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安定型
①の項目で、およそ半数の人に当てはまります。
「私は愛される人間」「身近な人は私を見捨てはしない」と安定を感じています。
自分にも他人にも肯定感があります。
とらわれ型
②の項目で、約10%の人に当てはまります。
親密な関係を強く望んでいますが、相手に受け入れてもらえないのではないかと怖れています。
あるときは、完全に突き放され、またある時は侵入的に過干渉されてきたのです。
このように一貫しない、そばにいない、本当の愛情を感じられないことで、あなたは「どうしたら生きていくためにずっと変わらず注目してもらえるか?」と不安を感じてきました。
大人なら、相手が自分への関心を失うのではないかと心配し、あの手この手でかまってもらおう、その人の愛をキープしようと努力し続けるかもしれません。
とらわれ型は相手のことが好きで、自分より素敵だと思っていても、自分の価値には不安を抱いているのです。
拒絶・回避型
③の項目で、約25%の人に当てはまります。
「親密さは避けた方がいい…」と決めつけています。
そしてそこからくる怖れや虚しさを何とかするために、心に固い鎧を着ているのです。
このようなあなたは、感情に乏しく、おそらく大変「論理的」な思考の持ち主ですが、根底にある隠し切れないとらわれに、本人も他人も気づいているかもしれません。
「世話をしてもらうこと」「甘えること」への強いわだかまりがあるのです。
例えば「甘え上手な人」や「自己憐憫の人」を嫌ったり、「絶対に誰の世話にもなりたくない」と主張したり、一方で「この人は、自分の今後にとってどういうメリットがあるのかな…?」という価値基準で人を見る傾向があります。
このタイプは、ナルシストに似ています。
彼らは自らの意思ではなく、強い心の痛みに対する防衛でそうなったのです。
拒絶・回避型の人たちは、少なくとも表面的には自信に溢れているようですが、他人を肯定していません。
そして深部では自分も否定しているのです。
それは次の恐怖・回避型とも似ています。
恐怖・回避型
④の項目で、15%の人に当てはまります。
あなたは慢性的に臆病で、心配性で、落ち込んでいて、孤独です。
非HSPであれば密かな、あるいは露骨な敵意さえあります。
相手と一緒になりたくても拒否されるのが怖く、強い葛藤、動揺があり、人に近づくチャンスがあると、混乱する傾向があります(このタイプの別名は混乱型です)
養育者に、深刻なネグレクトを受けたか、心理的、身体的な虐待を受けたのでしょう。
彼らは相手や自分をいつも怖れています(鬱、不安症)
恐怖・回避型は、いつも葛藤に襲われていて、近づきたいのに、行動が混乱していて、解離を生じることもあり、ぼんやり虚空を見つめていることもあります。
愛着全体が、終わりのない苦痛の源となっているのです。
回避型でも、「自分は正しい。悪いのは相手」と考える拒絶型とは違い、恐怖型の子は、「悪いのは自分」だと思って安心しようとします。
大人になって交際をしても、混乱した動きしかできず、素直な自分が不在で、ありのままになれず、相手と本当に親密にはなれません。
自分にも他人にも否定感があるのです。
安定型になるために(愛着スタイルにあったアプローチ)
とらわれ型
少し相手と距離を置き、相手は彼らがそうしたい時だけでなく、あなたが求めた時にも戻ってきてくれると信じることです。
本当は(たとえそういう気がしていたとしても)ずっと構ってもらう必要があるわけでも、そうしてほしいわけでもなかったと気づくようになります。
拒絶・回避型
あなたの心は、まるで石のようになって、相手のことをあきらめてしまっていたと認めましょう。
これからどのようなチャンスがあったとしても、まずはその心を溶かさなければなりません。
「気にしないぞ」という鎧を脱いだなら、最初は、恐怖・回避型、とらわれ型のような感情を味わうでしょう。
これまでも痛みを感じるのは、麻酔が切れつつあるようなもので、よいことなのです。
恐怖・回避型
相手から「拒否される」と思わずに、なるべく人に会うように努めましょう。
なかなか大変な仕事ですが…
HSPが親密さの恐れを克服するために
・安定型かどうか
・HSPかどうか
この2つには相関がなく、安定型の割合はHSPと非HSPで同じです。
しかしHSPであることで、愛着スタイルから受ける影響は大きくなります。
HSPは、拒絶されたり、刺激に圧倒されたり、飲み込まれたり、という危険に比べたら、相手と親密になるチャンスを失うほうがマシだと思ってしまうのです。
親密さの恐れを克服するためには、親しい関係の中に踏み込んで、正直で、素直で、傷つきやすい自分を受け容れなければいけないのです。